ミャンマー沈下橋プロジェクト

沈下橋とは

「沈下橋」とは、洪水などで川の水位が上がると水面下に沈んでしまう橋のことです。沈下橋に対する用語として「抜水橋」があります。沈下橋は世界中で古くから建設され、日本各地にもあります。しかし、国が豊かにつれ、洪水時に渡れなくなる沈下橋は不便なため、抜水橋に架け替えられてきました。

ミャンマーに沈下橋を建設する理由

ミャンマーの地方部には、乾期の間は歩いて渡ることが出来ても、増水する雨期には交通が途絶えてしまう河川が多くあります。水深が50cmを超えると大人が歩いて渡るのは危険で、バイクや自動車はまったく通れなくなります。水深が大きいと流れも速いので、ボートなどで行き来すると、転覆して命を落とすこともあります。川が増水すると学校も臨時休校となり、子供たちの教育にも支障が出ます。しかし、大洪水になっても渡ることのできる抜水橋を作ろうとすると、何十年に1回起きると推測される水位を基準にして、かなり高い場所に橋をかける必要があるため、沈下橋の何倍もの予算がかかります。開発の遅れているミャンマー国内の多数の村に、迅速に道路を行き渡らせるために、JIPは沈下橋による雨期交通の確保を提案しています。

No.橋の名前場所完成年長さ備考
1ヨマ橋バゴー地域
チャウタガ区域
201660m
2テザ橋マグウェー地域
タイエット区域
201783mカルバート
37mを含む
3テインリン橋マグウェー地域
タイエット区域
2017 66m
4トゥリア橋マグウェー地域
アウンラン 区域
2017 66m
5タキン橋マグウェー地域
タイエット区域
2018178mマグウェー
地域政府負担分
36mを含む
6メタ橋マグウェー地域
アウンラン 区域
2018 76m
7オーンワール橋マグウェー地域
シドタヤ区域
2018 66m

プロジェクトの経緯

JIPの副理事長・朝倉肇氏が、ある日仕事で訪れたミャンマーで、「ミャンマーの地方部の川が氾濫し、2年連続で橋が流され、4000人以上の住民、中でも100人以上の学生が学校に行けなくり困っている」という新聞記事を目にしたことがきっかけで、プロジェクトが始動しました。

翌年には、JIPより調査団を派遣し、外務省からの資金援助が決定しました。5年が経過した今、ミャンマー地方部に7橋の沈下橋が完成し、2019年度現在、5橋を建設中です。近年では、沈下橋の有用性を認識したミャンマーの地方政府が自らの予算で建設する橋についても、技術指導を行っています。

2019年度サガイン地域カレワ区域、カニ区域、インドー区域に1橋ずつ、カイン州ラインブゥエ区域に1橋を建設中
関連資料はこちら
2019年度沈下橋の有用性を認識したマグウェー地域政府が、自らの予算で建設する9橋にJIPが技術指導を実施
2018年度マグウェー地域に3橋を建設
2018年6月マグウェー地域の数十年ぶりの洪水で多くの橋が流さる中、JIPの建設した沈下橋は無被害
関連投稿はこちら
2018年5月建設中のテザ橋を新任のウ・ハン・ゾウ建設大臣が視察
2018年度マグウェー地域に3橋を建設
2017年5月沈下橋プロジェクト第一橋目の開通式
2016年12月沈下橋プロジェクト第一橋目の起工式
2016年11月洪水によって流されたイトネ・クリーク橋の沈下橋による再建事業が、外務省の日本NGO連携無償資金協力(限度額3千5百万円)により実施決定
2016年6月洪水によって流されたイトネ・クリーク橋の調査報告書作成および再建事業実施を外務省に申請
関連資料はこちら
2016年5月洪水によって流されたイトネ・クリーク橋の調査を実施
2015年9月バゴー地域チャウタガ区域イトネ川が氾濫し、2年連続で橋が流され、4000人以上の住民、中でも100人以上の学生が学校に行けなくなり困っているという新聞記事を、偶然別の仕事でミャンマーを訪れていたJIP副理事長・朝倉肇氏が見つける