理事長あいさつ

日頃より皆様の御支援に厚く御礼申し上げます。

理事長 中尾 忠彦

国際インフラパートナーズは、2006年2月に国際インフラ調査会として、故玉光弘明氏(元建設省関東地建局長、JICA理事)の呼びかけで、旧建設省技術協力経験者を中心に設立されました。その後、2013年11月に活動の範囲をひろげるため、国際インフラパートナーズと名称を改め現在にいたっております。

これまでミャンマーでの橋梁技術訓練センター(1979/7~1985/7)プロジェクト関連での飛行機事故とミャンマー国パブリックワークスとの交流関係から、ミャンマーでの道路・橋梁関係の案件を中心に活動してまいりました。

活動の主要項目としては、

  1. 簡易路面処理舗装による年間交通可能道路の整備拡大、橋梁補修・補強等
  2. 技術マニュアル作成協力
  3. 人的・技術的交流   

があげられます。今後共これらの協力を継続推進してまいります。

一方、当会の活動目的であるアジア諸国等とわが国の国民の友好と繁栄・安寧に貢献するため、今後はインフラストラクチャーの整備・管理の協力の範囲を拡大していく方針です。

今後共、皆様の御支援・御指導をお願いいたします。

ミャンマーとの協力の上に

当会は2006年2月に設立されましたが、その2年前当時の国際建設技術協会の会長であった玉光弘明氏(故人)より「朝倉肇君と二人でミャンマーに行って現地の様子をみてくればNPOの話も進むんだけどな。」といわれたのを機会に、約30年振りの2004年10月ミャンマーを訪れました。JICAビルマ橋梁技術訓練センタープロジェクト(BETC、1979-1985年)の第一期専門家であった朝倉氏は、その後25年間にわたりカウンターパートのハンゾー氏と交流を続けていましたが、そのハンゾー氏が丁度現場の事務所から、建設省公共事業庁の総裁になったばかりの時でした。ハンゾー氏はミャンマーの道路整備の必要性や日本に対する期待を語り、また各地の事務所や現場への訪問のための車両と説明者を手配してくれました。その際、BETCプロジェクトで建設したツワナ橋や日本人墓地の慰霊碑を初めて訪れることができました。

飛行機事故(1979年3月)により若くして逝った橋梁技術訓練センター(BETC)調査団のかたがたの慰霊碑を前に胸が締め付けられました。日本人6名、ビルマ人2名の犠牲者をだした調査団とは丁度建設省で国際協力の窓口をしていた関係があり、外務省での会議のあと建設省関係の国広哲男団長以下4名の調査団の壮行会を道路関係公団の仲間たちと行いました。壮行会の最後にピアノバーにてイケメンの団員がピアノをバラバラと弾いたときには土木屋にもピアノを弾くのがいたのかと驚きましたが、事故後ご家族の前で上司とお悔やみをいうことになろうとは夢にも思いませんでした。朝倉氏も国広団長とは土研時代に同じ研究室で浅からぬ因縁があるということですが、当会には犠牲者の同僚知人が多いのです。

2004年当時ミャンマーと日本との協力はまったく途絶えた状況で寂しい限りでした。BETCプロジェクトでは大きな成果をもたらしましたが、「この状態では優秀な技術者たちの犠牲は忘れ去られてしまい、単なる犬死に終わってしまうのではないか?」また、事故の2-3年前と思いますが、ビルマのイラワジ河橋梁建設計画が経済的にUnfeasibleであるとのJICAの調査報告団員としてビルマ建設省との会議にて、「タイの道路技術センターの例に倣い、中小河川での橋梁技術センターを要求してみてはどうか。」ともちかけたことも合わせて思い出され、このまま日本との技術協力が消滅してしまっては、「冥途で故人に合わせる顔がない。」と強く思いました。

一方BETCプロジェクトに参加しツワナ会を組織した長期専門家たちはその後もミャンマー技術者達との交流を継続していましたが、このツワナ会からかなりの人数が当会のメンバーになったこともあり、当会はミャンマーとの協力を第一と位置づけ、設立以来毎年のように現地での調査活動や交流を続けてきました。 このような事情で現地でのミャンマー側の対応もとてもよかったので活動は容易であり、円滑に現地調査や交流活動を行うことができました。

当会はようやくJICA草の根事業にてエーヤワディ地域での簡易舗装技術基準の作成を行うようになった段階です。この事業では日本道路協会の協力を得て合同技術委員会を組織し、ミャンマー公共事業庁総裁以下のミャンマー側技術委員会との合同会議にて技術基準作成作業をおこなっており、他の組織との協力連携の道を開くことができました。

当会は、認定NPO法人として世界の人々のために、インフラストラクチャーの整備管理に関する事業等を内外の関係者と協力連携して行い、環境に配慮し持続可能な社会経済の発展を通じて、相手国とわが国国民の繁栄と安全の向上に貢献することを目的に活動しています。